固有受容器と筋トレの関係、正しく身体を動かすための知識

目次

固有受容器が正常に働くメリット・デメリット

固有受容器が正常に働くことでどのようなメリット・デメリットがあると思いますか?
外部受容器の低下は感覚として目に見えてわかり日常の動きに顕著に表れます。しかし、固有受容器の低下はそもそも正常に働いているか感じることが難しいでしょう。
今回はトレーニングを例にどのようなメリット・デメリットがあるかみてみましょう。

メリット

  • 姿勢が安定し怪我をせずにトレーニングができる
  • ターゲットにアプローチができる
  • 連動性が向上し様々なトレーニング種目ができる

姿勢が安定し怪我をせずにトレーニングができる

トレーニングで怪我をする場面は、局所的に負荷がかかる場合が多いでしょう。
スクワットで腰や膝を痛めてしまう、ベンチプレスで肩を痛めてしまうなど。
固有受容器が正常に働くことで姿勢が安定することで局所的な負荷を和らげて結果的に怪我をせずにトレーニングができるようになります。

ターゲットにアプローチができる

筋肉がどのような状態か把握することで、ターゲットにアプローチができるようになります。
トレーニングしたい部位の筋肉を自分の意思で縮めることができるか否かでは効果に差が出てくるでしょう。

連動性が向上し様々なトレーニング種目ができる

固有受容器が働くことで関節や筋肉を効率よく動かすことができます。
クリーンやハイプル、スラスター、ジャンプランジなど多くの関節を動員する種目(コンパウンド種目)では連動性が必要です。
1つの動きで多くの関節を動員するということは、多くの筋肉が使われるので効率よくトレーニングをすることができます。

デメリット

  • 連動性の低下により一部に負荷がかかる
  • 効率よくトレーニングができない
  • フォームが崩れてターゲットに負荷がかからない

連動性の低下

本来同時に動くはずの関節が動かない時に起こります。
しゃがむ動作でいうと股関節、膝、足首は同時に曲がり、立ち上がる時は同時に伸びていきます。
特に立ち上がる時に膝だけ先に伸びると腰への負担が強くなり怪我のリスクが高くなるでしょう。

効率よくトレーニングできない

筋肉はある(と思っている)のに力がうまく発揮できないことがあります。
どこかの固有受容器の機能が低下し、力が伝わらないためトレーニング効果を感じにくいことが起きるでしょう。
スクワットやデットリフトなどコンパウンド種目では特に顕著に表れます。
そのためトレーニング種目をいたずらに増やしてしまい、時間と体力が奪われることで非効率なトレーニングになってしまうでしょう。

フォームが崩れる

固有受容器の働きが低下し安定性が下がることで関節の動きが鈍くなることがあります。
これは本来動かしたい関節が安定するという役割を担うことにより起こります。
そうすると、動かしたい関節が動かずフォームが崩れターゲットに負荷がかからないことがあるでしょう。
肩甲骨の動きを感じることができず胸が張れないと、大胸筋のストレッチが弱くなり最大伸長できないことで肩や腕が辛くなってしまう場合があります。
どうゆうこと?という方はこちらの記事のjoint by jointを参照してください。
関節には役割があるということを知ることで理解が深まります。

固有受容器の働きをチェック

固有受容器が働くメリット・デメリットを確認しましたが、そもそも固有受容器が正常に働いているかどうかわかる人は少ないと思います。
外部受容器の働きが低下した場合は簡単に気づくのですが、固有受容器の働きが低下した場合は気づきにくいのです。
そこで、固有受容器の働きをチェックできる簡単な動きを3つ試してみましょう。

開眼片足立ち

  • 片方のももの付け根と膝を90度に保ち脚を上げる
  • 目を開けたまま10秒片足立ちができる

※鏡などで姿が見えないようにする

ダイアゴナルリーチ

  • 四つ這いの姿勢で対角線上の肘と膝をつける
  • 手と足を遠くに伸ばし最初の姿勢に戻る
  • バランスを崩さず連続して5回できる

180ジャンプターン

  • 脚を肩幅に開き目を閉じる
  • ジャンプして180度ターンする
  • 同一方向に3回ジャンプして1回でも180度ターンできる

いかがでしたか?もしスムーズにできない動きがある場合はどこかの受容器の反応が正常に働いていない可能性があります。自分の身体を思い通りに動かせなくなるかもしれないので要注意です。

固有受容器を正常に戻すためには?

ところで、固有受容器の働きは低下すると元に戻らないのでしょうか?いいえ。そんなことはありません。トレーニングや、日常の動きを意識することで固有受容器の働きはよくすることができます。ではどのようにすれば正常に戻すことができるかみていきましょう。

伸ばして、縮ませて


ストレッチをする時にほんの少し意識を変えることで固有受容器の働きを向上することができます。どこの筋肉が伸びているのか感じることでその筋肉を縮ませる感覚を向上させ、ストレッチをする時は伸びている筋肉を意識し、反対の筋肉が縮んでいることを感じられるようにしましょう。伸ばしたい筋肉の反対の筋肉が縮むことを相反抑制といい、この性質を利用してストレッチを行うこともできます。

足裏へアプローチ


足裏には“メカノレセプター”と呼ばれる受容器が存在します。足裏から多くの情報をインプットし人間はバランスをとることができます。足裏へのアプローチは非常に大切です。下の3つは自宅でもできる簡単なアプローチです。

  • ボールを踏んでストレッチ(指でほぐしてもOK)
  • 足の指を開いて閉じる10回×3セット
  • 裸足で生活する

アイソメトリックトレーニング


筋肉の活動は筋肉が伸び縮みするだけではなく、筋肉の長さが変わらずに力を発揮する場合があります。これをアイソメトリック(等尺性筋収縮)といいこれを利用したトレーニングを行うと良いでしょう。

具体的なパターンを以下に記します。

  • 手のひらを合わせて力を入れて押し合うように合掌する
  • スクワットのボトムポジションでキープする(空気イス)
  • うつ伏せで両腕を頭上に伸ばし手と足を浮かせる(スカイダイビングのような姿勢)
  • フェイスタオルの両端を握り頭上で引っ張り合う

まとめ

受容器が私たちの身体の動きにどのように関わっているか理解できましたか?

特に、固有受容器の働きが正常であれば、トレーニング効果を感じやすくトレーニングの質が上がります。

そして、トレーニングの質が上がることで運動能力も高まり身体を効率よく動かすことができるでしょう。
今まで意識したことはなかったかもしれませんが、筋トレの効果を感じにくいという人は、固有受容器の働きをチェックしてみましょう。

少しでも気になる場合は固有受容器の働きを正常に戻してからトレーニングに励んでみることをおすすめします。

ビギナーフィットネスFIRST大森北 本田

固有受容器・外部受容器とは?

身体の様々な場所に存在するセンサー

固有受容器と日常の動き

歩く、跳ぶ、転がる

固有受容器の働きをチェック

  • 開眼片足立ち
  • ダイアゴナルリーチ
  • 180ジャンプターン

固有受容器が働くメリット

  • 姿勢が安定し怪我をせずにトレーニングができる
  • ターゲットにアプローチができる
  • 連動性が向上し様々なトレーニング種目ができる

固有受容器が働かないデメリット

  • 連動性の低下により一部に負荷がかかる
  • フォームが崩れてターゲットに負荷がかからない
  • 効率よくトレーニングができない

固有受容器を正常に戻すために

  • 伸ばして、縮めて
  • 足裏へアプローチ
  • アイソメトリックトレーニング

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