姿勢と呼吸のメカニズム、反り腰と腰痛改善の方法
日々お客様をみていると反り腰や腰痛で悩んでいる方が非常に多いと感じます。
反り腰は見た目の悪さにも影響し、腰痛は日常生活が快適に送れずストレスが溜まるでしょう。
なにより痛みは身体からのサインです。
そんな反り腰や腰痛ですが、実は呼吸とのつながりがあります。
- 正しい呼吸とは
- 姿勢と呼吸のメカニズム~反り腰と呼吸~
- 反り腰が腰痛になる理由
- 反り腰と腰痛改善の方法
反り腰や腰痛の人は姿勢と呼吸のメカニズムを知することで、改善する方法を行えば快適な生活が送れるようになるでしょう。
正しい呼吸とは
正しい呼吸とは大きく分けると3つの要素があります。
- 腹式呼吸が行われている
- 胸郭が正しい位置で動く
- 心臓のポンプ作用が円滑
腹式呼吸が行われている
腹式呼吸とは横隔膜やお腹の筋肉を使用して呼吸をすることです。
浅い呼吸では横隔膜の動きが小さくなり背骨が動きづらくなります。
背骨が動かなくなると胸で呼吸を行い反り腰や腰痛につながってしまいます。
腹式呼吸は、神経系では副交感神経が優位に働きリラックスできます。
逆に胸式呼吸では交感神経が優位に働き興奮状態になります。
交感神経が優位に働くとリラックスができない状態になり、疲れやすい、疲れが取れないなど睡眠にも影響がでます。
胸郭が正しい位置で働く
胸郭は鎖骨、肋骨、背骨から構成され、内部には心臓や肺などの重要な器官が収められています。
これらの構造が適切な姿勢で配置されていることが、正常な呼吸に必要です。
正常な呼吸では胸郭は開かれ、肋骨は自然な曲線を描いています。
これにより、肺が最大限に膨張し、効果的な呼吸が可能となります。
逆に、悪い姿勢では胸郭が狭まり、肺がうまく広がらず十分な酸素が取り入れられない。
そして呼吸が浅くなることがあります。
また、胸郭は呼吸筋の働きにも密接に関係しています。
鎖骨や肋骨の位置が正常であると、横隔膜や肋間筋が適切に動き、深い呼吸が行えます。
姿勢が悪くなると呼吸に関わる筋肉の働きを妨げ呼吸がうまくできず不快感や呼吸困難な状態になります。
心臓のポンプ作用が円滑
心臓は全身に栄養補給をするとともに、血液と合わせて酸素を全身に運びます。
姿勢が悪くなると心臓が十分な血液を送り出しにくくなり、全身の酸素供給が不足しやすくなります。
胸郭が正しい位置で働くことで心臓のポンプ作用が確保され、全身に適切な酸素と栄養素を送ることができるのです。
姿勢と呼吸のメカニズム~反り腰と呼吸
効果的な呼吸を行うためには正しい姿勢が大切です。
反り腰の人は姿勢が悪くなることで正しい呼吸がきていません。
言うなれば、正しい呼吸ができていないので反り腰になっているということです。
反り腰とはどんな状態?
文字通り腰を反っている状態ですが筋肉や腰以外の影響についてお伝えします。
反り腰は腰椎が過剰に反っている状態で背骨の湾曲が強く出ています。
背骨は真っ直ぐではなく緩やかなS字を描いていますが、反り腰の人はこのS字の曲がりが強くなります。
S字が強くなると腰の筋肉が縮み腰に負担が強くなります。
そして、反対側にあるお腹の筋肉は伸びて腹筋がうまく使われなくなります。
お腹の筋肉が伸びると肋骨の下の方(第12肋骨)が開きます。
肋骨が開いている状態の呼吸って?
正しい呼吸は腹式呼吸も行われますが、開いた肋骨では浅い呼吸となりお腹まで空気が入りません。
浅い呼吸は胸式呼吸になり交感神経が優位に働きます。
交感神経が優位な状態では息を吸うことに意識が向きやすいのです。
交感神経が優位に働いているということは言わば戦闘モードです。
筋肉は緊張して固くなり力が入ってしまうのです。
そして力が入る筋肉が偏ることで反り腰はますます強くなります。
反り腰が腰痛になる理由
効果的な呼吸や反り腰と呼吸の関係についてお伝えしました。
そして、反り腰は腰痛になりやすいリスクがあります。
先ほど、反り腰の人は背骨のS字が強くなり腰の筋肉が硬くなってしまうとお伝えしました。
腰の筋肉が硬くなるということは腰の筋肉に力が入っている状態です。
ただ単に筋肉に力が入っているだけでは痛みは出ません。
しかし、力が入っている筋肉に負荷がかかるとどうでしょうか?
上半身の筋肉や骨など身体の半分の重さを支えていると考えると強い負荷がかかっています。
50㎏の人でも25㎏の重さを支えているってもはや筋トレです。
柔軟性のある筋肉であれば負荷を分散することができます。
しかし固くなっている筋肉ではそれができません。
分散ができない腰の筋肉はお尻の筋肉(大臀筋、中臀筋)や背中の筋肉(腰部多裂筋、広背筋、僧帽筋)にまで影響がでます。
そして、筋肉は骨についています。
縮んでいる筋肉は骨を引っ張るので骨自体にも負担がかかります。
1箇所の骨が引っ張られると他の骨もバランスをとるためにズレてしまうので、最終的に姿勢が歪んでしまうのです。
歪んだ姿勢で生活していると腰椎ヘルニア、腰椎分離症など脊椎に異常が出て歩行や日常生活のちょっとした動きも痛みをともなっていくでしょう。
反り腰改善と腰痛緩和に必要なこと
姿勢と呼吸、呼吸と反り腰、反り腰と腰痛という流れをお伝えしました。
では、どうすれば良いのでしょうか?
人により原因は様々ですが、セルフケアできることは【姿勢の意識】と【筋トレとストレッチ】の2つです。
まずは【姿勢の意識】をするために呼吸について実践してみましょう。
呼吸のアプローチ
姿勢が崩れると呼吸が浅くなりやすく横隔膜やお腹の筋肉が上手く働かなくなります。そして肋骨が開き反り腰になりやすくなります。
まずは息を吐くことを意識して行いましょう。
息を吐くことで肋骨が締まり、肋骨が締まることで腹横筋というお腹の奥の筋肉と腰部多裂筋も締まります。
この時、大切なことは【正しい姿勢で呼吸をする】ことです。
今回は【背骨が正常なS字を描いている】姿勢に注目して呼吸を行います。
- 仰向けになり膝を軽く曲げる
- お腹の上、腰の下に手を置く
- 鼻から息を吸って、口からゆっくりと長く息を吐く
- 3秒吸って、7秒吐くイメージ
- 必ず息を吐き切るようにしましょう
- お腹が固くなることを確認しましょう
- 腰と床の隙間を埋めるように腰を平らにするようにしましょう
筋トレとストレッチ3選
反り腰は腰の筋肉が硬くなっているのでお尻ともも裏が緩んでいる状態です。
また、ももの付け根の筋肉は縮んで硬くなっています。
呼吸の次は【筋トレとストレッチ】です。
簡単な運動なので動画をみて3つ実践してみましょう。
お尻のトレーニング
- 横向きに寝る
- 膝を90度程度曲げる
- 膝の位置を調整する※一番お尻の筋肉が使われている位置で動かす(① ももの付け根が直角の位置、②身体の延長線上に足の位置、③1と②の中間に足の位置)
- 腰を手でつかむ
- 上側の膝を開けるところまで開く
- 腰が動かないようにしましょう
- かかととかかとが離れないようにしましょう
もも裏のトレーニング
- 仰向けになり膝を曲げる
- 膝を45度程度曲げる
- 片方の膝を抱える
- 床についている足で床を押すようにお尻を上げる
- もも裏に力が入っていることを意識しましょう
- 腰が痛い場合は上げる高さを低くしましょう
- 息を吐きながらお尻を上げましょう
ももの付け根のストレッチ
- 片膝立ちになり両膝を90度程度にする
- 背中を丸めて骨盤を後傾にする
- 後脚側の骨盤を後傾にする
- 後脚のもも前が伸びていることを意識しましょう
- 後足のももの付け根が伸びていることを意識しましょう
まとめ
効果的な呼吸とは
- 腹式呼吸が行われている
- 胸郭が正しい位置で動く
- 心臓のポンプ作用が円滑
姿勢と呼吸のメカニズム~反り腰と呼吸~
- 呼吸が浅くなると肋骨が開く
- 肋骨が開くとお腹の筋肉が緩む
- お腹の筋肉が緩むと腰の筋肉が硬くなる
- 腰の筋肉が硬くなると腰椎を過剰に反る
反り腰が腰痛になる理由
- 腰の筋肉が硬くなると周りの筋肉も硬くなる
- 硬くなった筋肉は負荷を吸収できなくなる
- 吸収できない負荷が痛みとなる
- 腰椎が怪我をする
反り腰改善と腰痛緩和に必要なこと
- 呼吸のアプローチ
- お尻のトレーニング
- もも裏のトレーニング
- ももの付け根のストレッチ
おわりに
いかがでしたか?姿勢と呼吸が関係していることがつながったでしょうか?
姿勢は【今の身体が最も楽な状態】をとろうとしています。
しかし、その姿勢がどこかに負担をかけていると痛みとして表れます。
原因は様々ですが多くの場合は、【座っている時に足を組む】、【立っている時に片方に体重が乗っている】、【スマホを見ている時に首が前に出ている】など無意識に生活でとっている姿勢が形になります。
改善のアプローチもご紹介しましたが、一番大切なことは【日々の意識】です。
普段の姿勢をほんの少し気にすることで改善しやすくなるでしょう。
この記事を読んだ今から、自分の姿勢を意識してみましょう。
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